八女茶の秘密を発見!お茶摘み体験で日本文化に触れる旅-1

八女茶の秘密を発見!お茶摘み体験で日本文化に触れる旅

福岡県八女市に広がる美しい茶畑。日本を代表する高級茶「八女茶」を育む地で、お茶の飲み比べやお茶摘み、製茶工程を体験しながら、そのおいしさの秘密や奥深い文化を堪能できる特別な旅をご紹介します。
さらに、八女茶スイーツを楽しんだり、八女の伝統文化に触れる古民家ステイもおすすめです。


約600年前に始まった「八女茶」の歴史

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八女茶は、1423年に明(現在の中国)から禅の修行を終えて帰国した栄林周瑞(えいりんしゅうずい)禅師が、筑後国鹿子尾村(現在の八女市黒木町笠原)に茶の種子を持ち帰ったことがはじまりとされています。その後、庄屋の松尾太郎五郎久家の援助を受けて「八女茶発祥の地」と伝わる霊巌寺(れいがんじ)を建立するとともに製茶技法や喫茶法を伝え、一般に広まっていきました。
江戸時代になり、庶民の生活にお茶が取り入れられると八女茶の栽培も本格化。長崎で日本茶の海外輸出も始まり、八女茶も注目されるようになりました。明治時代には釜炒り茶から蒸し製緑茶への転換が進み、製造技術が発展。特に玉露の生産において八女茶は高い評価を得ていきます。
以降、その品質はさらに向上し、全国茶品評会では多くの賞を受賞。八女茶のブランド化は加速し、日本有数の高級茶としての地位を確立させました。


日本一の玉露、八女茶の魅力

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福岡県の南部に位置する八女地方は、温暖な気候と山間地特有の朝晩の寒暖差に加え、肥沃な土壌、降水量の多さ、霧が頻繁に発生するという日本茶栽培に理想的な条件がそろっています。
八女茶は、奥深い濃厚な旨味とテアニンを豊富に含む自然な甘みが特徴。コクがありながら爽やかな口あたりと後味が最大の魅力で、全国茶品評会「玉露の部」で審査成績の上位3点の合計点数が最も高い市町村に授与される産地賞において、2001年から連続日本一に輝いています。

市内山間部で主に栽培される玉露は、新芽が出てから茶摘みを行うまでの期間に日光を遮る被覆を行います。光合成を抑え、茶葉の硬化を遅らせ摘採期間を長くする「被覆栽培」によって、品質が高められます。なかでも稲わらなどの自然素材で被覆し、機械を使わず手摘みするなど、伝統的な製法により作られる「八女伝統本玉露」はGI認証(地理的表示保護制度)を受け、最高峰の玉露として国内だけでなく世界中から注目されています。


日本茶の種類

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日本茶は、発酵の有無や程度によって分類されています。

■玉露
日本茶の代名詞でもある高級茶。新芽に直射日光を遮る覆いをかける「被覆栽培」で育てられます。
玉露のなかでも「八女伝統本玉露」は、下記のように生産されるものです。
・自然仕立て栽培
・天然資材を用いた被覆栽培
・手摘みによる収穫
【特長】旨味成分が多く、渋みの少ないまろやかな甘みと濃厚な味わいが楽しめます。

■煎茶
全製茶生産量の約8割を占める一般的な緑茶で、日光を十分に浴びた茶葉を使用します。
【特長】渋みと甘みのバランスが良く、すっきりとした後味です。

■かぶせ茶
「玉露」の半分ほどの日数だけ新芽に覆いをかける栽培方法によって育てられます。
【特長】「玉露」の旨味と甘み、「煎茶」の爽やかな渋みを兼ね備えています。

そのほか、「玉露」と同様に被覆して育てた茶葉を蒸し、揉まずに乾燥させ石臼で挽いた「抹茶」や、成熟した茶葉を使用し手軽な日常茶として親しまれている「番茶」があります。
もともとは同じお茶の葉ですが、茶葉の酸化酵素を利用して半分程度発酵させた「ウーロン茶」、完全に発酵させた「紅茶」も作られていますので、さまざまな種類の八女茶からお気に入りを探してみてはいかがでしょうか。

Column

八女茶のおいしい淹れ方-1

八女茶のおいしい淹れ方

八女茶をおいしく淹れるには、玉露や煎茶、番茶など、それぞれの種類と特性を知る必要があります。共通して言えることは、必ず沸騰させたお湯を使い、茶葉に合わせて適切な温度に湯冷ましをして注ぐこと。
また、抽出時間も異なります。下記のリンクを参考に、ご自宅でも八女茶をお楽しみください。

おいしいお茶の淹れ方

【八女茶にふれる体験プラン➀】
期間限定!茶畑で風を感じながら「お茶摘み体験」


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    八女茶の里

    八女茶の里では、ゴールデンウィーク期間中にお茶摘み体験プログラムを開催します。
    体験日によって、煎茶、かぶせ茶、玉露と摘める茶葉が異なります。事前に予約をすれば、希望者は茶娘の衣装を着ることも!お茶摘み体験の後は、八女茶の試飲はもちろん、お茶餅つきのほか曜日によってはお茶作りや穂先たけのこ狩りも体験できます。わかば製茶工場内を見学したり、八女茶発祥の地「霊巌寺」を案内してもらうのもおすすめ。さらに、八女新茶の生産者予約販売もあり、1日を通して八女茶の魅力を存分に楽しめます。

    「ゴールデンウィーク いっでん ばさらか こらすけん いっぺん 茶摘みば しげこんの まっとるばい。」


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    茶摘みと手揉み茶作り体験会

    毎年4月下旬に開催される「龍星園」・「土居自然学校」・「ふみちゃんの味噌汁屋さん」の共同プログラムによる茶摘み体験。茶畑での茶摘み体験の後、摘み取った茶葉を手揉みしてお茶作りも体験できます。作ったお茶はお持ち帰り可能。星野村で採れたお米や野菜を使った昼食が付いたプランで、約60名を受け入れ予定。宿泊での参加希望の方には近隣の宿泊施設を紹介します。

    ※2025年は4月26日(土)に開催予定です。開催日および受け入れ人数は毎年変動します。


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    茶の文化館

    八十八夜(はちじゅうはちや)は立春から数えて88日目、農作業に本腰を入れる時期の目安とされてきました。茶の文化館では、八十八夜にあたるに4月下旬~5月上旬に茶摘み体験を開催します。八十八夜摘みのお茶は、末広がりの「八」が二つあることから、不老長寿の縁起物として重宝されています。摘んだ茶葉は生葉のまま持ち帰り、自宅で天ぷらなどにして味わいましょう。また、その場で釜炒り茶を手作りし、乾燥させて袋に詰めてお土産に持ち帰ることも可能です。

    ※2025年は5月1日(木)に開催予定です。開催日は毎年変動します。


    天空の茶屋敷

    天空の茶屋敷に宿泊される方(2名2泊以上)限定で、茶摘み体験に参加することができます。好きなだけお茶を摘んだらウーロン茶・紅茶などを自分で作り、お土産として持ち帰ることができます。そのほか事前に相談すると、「霊巌寺」での座禅体験、ハイキング、お茶工場見学、おいしいお茶の淹れ方講座、お茶農家訪問などのアレンジが可能。さまざまなプログラムを組み込んだ八女茶ツアーの提案もしてくれる里山のゲストハウスです。


    【八女茶にふれる体験プラン②】
    シングルオリジンティーの飲み比べ&オリジナルブレンド緑茶作り体験

    • 【八女茶にふれる体験プラン②】
シングルオリジンティーの飲み比べ&オリジナルブレンド緑茶作り体験-0

    標高約350mの山間部、奥八女と呼ばれる上陽町にある角田製茶。約13ヘクタールの土地で有機肥料を使い、農薬を最小限に抑えた茶樹を育て、栽培から加工・販売まで一貫したお茶づくりを行っています。複数の異なる地質の茶園があり、環境に合わせて複数の品種の茶葉を育てていることから、八女の中でも珍しい「奥八女茶シングルオリジンティー」のテイスティングとブレンド体験が楽しめます。
    シングルオリジンティーとは、単一農園単一品種で作られたその土地の味(テロワール)を感じることができる八女茶。数種類の飲み比べと、お好みの品種を組み合わせた世界にひとつのオリジナルブレンドティーを作り、天気が良ければ茶畑の見学も。奥八女の季節の絶景とともに八女茶の奥深さを五感で堪能しましょう。


    【八女茶をもっと楽しむ➀】
    絶景カフェでいただく八女茶スイーツ

    市内には、八女茶を使った絶品スイーツが食べられるお店がたくさんあります。その中でも、茶畑の絶景を眺めながら八女茶スイーツを味わえるカフェを紹介します。

    • お茶村本店

      お茶村本店

      1940年創業のお茶農家が、カフェを併設してリニューアルオープン。2階のカフェでは茶畑を眺めながら、抹茶を贅沢に使ったフロスティーノやバスクチーズケーキ、ジェラート、パフェなど、多彩な八女茶スイーツが楽しめます。1階には煎茶・玉露など老舗茶園ならではの銘茶はもちろん、米粉のフィナンシェ(抹茶・ほうじ茶・プレーン)や日本茶プリン、冷凍で持ち帰れるスイーツも販売しています。

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    • 八女大茶園café Green Monster

      八女大茶園café Green Monster

      観光スポットとして知られる「八女中央大茶園」の茶畑を望む展望台にあるカフェ。まるで緑のじゅうたんを敷き詰めたような景色を眺めながら、急須で入れた八女茶や八女茶ソフトクリームを味わうことができます。見た目もかわいい抹茶シフォンケーキや抹茶ラテ・フラッペ、ほうじ茶ラテ・フラッペなどカフェメニューも充実!晴れた日には、テラス席でのんびり過ごすのもおすすめです。

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    【八女茶をもっと楽しむ②】
    八女の伝統文化にも触れられる古民家ステイ

    市内の古民家を改装した宿泊施設では、昔ながらの日本家屋の雰囲気を大切にしながら、現代的な快適さも兼ね備えています。まるでタイムスリップしたかのような心安らぐ古民家ステイで、八女の歴史・文化に触れ、地元の人々との交流を楽しみましょう。


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      Craft Inn 手 [té]

      八女の伝統的な町並みの一角にある、古民家を改修した宿。九州の職人が手掛けた家具や調度品が並びます。地元の職人が作った木桶のお風呂や野菜たっぷりの朝ご飯をお楽しみください。
      部屋には、オーガニック栽培のやぶきた茶を淹れるセットや、八女茶の名付け親である許斐本家の茶葉を使った冷たい緑茶・ほうじ茶をご用意。久留米絣の工房での藍染め体験や八女茶お抹茶体験など、ものづくりを体験できるプランがあるのも魅力です。


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      NIPPONIA HOTEL 八女福島 商家町

      八女で茶舗を営んでいた邸宅や酒造りを行っていた酒蔵が、最小限の修復を施しながら現代的な快適性を備えた客室へと生まれ変わりました。宿に到着したお客様を、煎茶とお茶菓子でお出迎え。日本茶やティーペアリング、八女茶やティーカクテル、朝食には八女茶漬けなどを味わうことができます。周辺エリアの散策と合わせて、贅沢な“TEA&SAKE”を満喫してください。


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      RITA八女福島

      歴史的な町並みにある築100年の古民家を改修した小さな宿で、八女福島の暮らしを体感することができます。まずは、季節のウェルカムスイーツと八女茶でほっと一息。お部屋ではシングルオリジンの八女茶3種の飲み比べをお楽しみください。部屋の随所にある伝統工芸品やお抹茶サービスなど、心温まる八つのおもてなしが用意されています。


      八女市でお茶の旅を楽しもう!

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      「茶のくに観光案内所」では、観光に関するさまざまな情報を提供していますので、ぜひお立ち寄りください。
      併設する「八女観光物産館 ときめき」は、八女茶をはじめ、地酒・醤油・銘菓・農産加工品などが揃い、お土産選びに最適。また、郷土料理のだご汁、よもぎまんじゅうや八女茶ソフトクリームなども味わえます。
      そのほか、八女市の観光に欠かせない定番スポットやグルメ、お土産情報はエリアガイドページでチェックしてください!

      ※この記事は八女市観光振興課の協力で作成しました。
      ※掲載されている情報は2025年2月時点のものです。お出かけ前にはWebサイトや電話で最新情報をご確認ください。


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