小石原焼-1

小石原焼 KOISHIWARAYAKI

どこか素朴なデザインと風合い一目で分かる小石原焼の“らしさ”。

1682年に筑前福岡藩・3代目藩主が、磁器の生産が盛んだった伊万里にならい、焼物を作り始めたのが起源とされる小石原焼。開窯当初、磁器が作られていた時期もありましたが、1669年から同地で茶陶を手がけていた高取焼との交流により発展し、陶器が作られるようになりました。小石原焼の大きな特徴は、器をろくろで回しながら刃先やハケなどを使い規則的に入れる模様です。「飛び鉋」や「刷毛目」と呼ばれる技法により、整然としながらも温かみのある柄が生まれます。どの時代も日用雑器を作り続けてきたこともあり、今なお日本全国で愛され続けています。

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里山で生まれ、全国へ。日々の暮らしを彩る日常雑器の代表格。

小石原地区は内陸に位置し、標高1000m級の山々に囲まれた自然豊かな土地。農業も盛んで、水田が段々に連なった棚田、茅葺き屋根の家屋など、のどかな日本の原風景が広がっています。そんな小石原地区は陶器に適した土と登り窯の燃料となる木々に恵まれていたため、約350年にわたり、焼き物が作られ続けてきました。現在、50軒以上の窯元が集積し、どの窯元もギャラリーを併設しています。いろいろな窯元を巡って、作家ごとに異なる作風を、手にとって感じてみるのも楽しみの一つ。また、タイミングが合えば、職人たちの作業風景を見ることができるのも、窯元が多い小石原焼ならではです。春と秋には、村をあげてお祭りを行い、期間中は多くの人で賑わいます。日常使いにぴったりな手ごろさ、温かみのあるデザイン、多様なフォルムに産地でぜひ触れてみてください。


小石原焼が作られているのは山々に囲まれた自然豊かな東峰村。天日干しされた器がよく似合う、のどかな雰囲気に癒されます。


昔は大型の壺や皿の需要が多かっただけに、薪を燃料とした登り窯で焼かれていました。現在ではガス窯が使われることも多いですが、巨大な登り窯に歴史や伝統を感じずにはいられません。一方、大切な原料である土は、昔と変わらず近隣の山から採取されています。


小石原地区には遠州七窯に数えられる茶陶・高取焼の窯元もあります。その歴史は小石原焼より古く、現在の小石原焼のスタイルができあがったのは、高取焼の影響が大きかったとされています。


01/ 小石原焼の原料は同地区の山から採取される赤土。この土が素朴な質感を生みます。
02/ 赤土の上に白色の化粧土をかけ、刃先で規則的に化粧土を削いでいく技法「飛び鉋」。
03/ 化粧土が乾く前にハケで模様を入れていく「刷毛目」。
04/「飛び鉋」「刷毛目」といった技法により、小石原焼の伝統的な模様が刻まれます。


小石原焼の一部の窯元で、現在も使われている登り窯。薪で焼き上げることで、器に独特な表情が生まれるといいます。窯には神様が宿るという考えから、注連縄を掛けているのも印象的。どれだけ職人が技術を高めようとも、焼き上がりは予想できないといいます。それもまた、焼き物の魅力ではないでしょうか。


窯に火を入れてから、数日後に窯開きを行います。内部の温度は下がっているとはいえ、中に入るとまだ熱く、焼成する際の熱量のすごさが分かります。


毎年5月と10月に、窯開きに合わせて行われる「民陶祭」。新作が並ぶほか、通常よりお手ごろに買えることもあり、福岡県内外から多くの人出でにぎわいます。


01~05/窯元とフードコーディネーターのコラボにより生まれた小石原ポタリーシリーズ。
07~09/白と黒のはっきりとしたコントラストが従来の小石原焼とは一線を画す点です。

  • 01.刷毛目技法を用いたスープボウル。
     

  • 02.刷毛目の上に薄く化粧土をかけた、蓋付きポット。
     

  • 03.チーズボード。
     

  • 04.飛び鉋技法による規則的な柄がシンボリックなスープボウル。
     

  • 05.マイカップ。
     

  • 06.花の形を模した小鉢。

  • 07.ご飯用の茶碗。
     

  • 08.ざるそばのツユなどを入れるそば猪口。

  • 09.洋食によく似合うプレート。


小石原焼陶器協同組合
〒838-1601 福岡県朝倉東峰村小石原730-9
TEL:0946-74-2266
HP:https://tenku-koishiwara.com/


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