紅葉シーズン到来! 心ときめく色彩にあふれる「竈門神社」へ-1

紅葉シーズン到来! 心ときめく色彩にあふれる「竈門神社」へ

太宰府市「宝満宮 竈門神社(ほうまんぐう かまどじんじゃ)」は1350年以上の歴史をもち、古くから縁結びや方除け、厄除けの神様として信仰されている神社です。紅葉の名所としても知られ、見頃はもうすぐ。秋のおでかけに、足を運んでみませんか。また、神様を身近に感じられる愛らしいデザインのお守りにも注目です。


古くから人々に慕われる"縁結びの神様"

九州でもっとも登山者が多いといわれる霊峰・宝満山に鎮座する「宝満宮 竈門神社」。宝満山の山頂に上宮、麓に下宮があり、一般的には下宮を参拝します。玉依姫命(たまよりひめのみこと)を主祭神とすることから、特に“縁結びの神様”として知られていて、男女の縁はもちろん、家族や仕事、友人などさまざまな良縁を願う人々が参拝に訪れます。

竈門神社にお参りする際に、楽しみの一つとなっているのがかわいいお守りです。どんなお守りを授かることができるのでしょうか。


権禰宜 馬場宣行さんにお話を伺いました。馬場さんは、神職としてのお務めのほか、社の広報関連をご担当。アートやデザインなど文化関連に明るく、2012年の授与所の新設や、お守りを含む授与品の制作にも携わっていらっしゃいます。


心ときめく色とりどりのお守り

竈門神社の「お札お守り授与所」は、2013年の鎮座1350年を迎えるにあたって、2012年に建て替えられました。世界的なインテリアデザイナー・片山正通さんが手がけた斬新な内装も大きな話題に。こちらでは、さまざまなお守りやお札を授かることができます。


クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

お守りはどのくらいの種類があるのでしょうか?

馬場さん

馬場さん

色のバリエーションも含めると約100種類ほどになります。ずっと前から変わらないものも、授与所が新しくなったタイミングで考案されたものもあります。多くのお守りの台紙を御神紋である桜模様にすることで、並べた時に統一感が生まれるようにしています。授与所の壁面や天井と同じデザインですので、持ち帰った際も、この空間を感じていただけるのではないでしょうか

クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

お守りのデザインはどうやって考えるのですか?

馬場さん

馬場さん

授与品の担当をしている私を初め、職員で考えています。その後、デザイナーさんとやり取りをしながら色や形を決めていきます。時代に寄り添っていくことは大切ですので、今の時代に合った感覚のものということは意識しています

クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

 かわいいものが多くて迷いそうですね。

馬場さん

馬場さん

多くの方にそう言っていただけてうれしいです。授かられた方がいつも持っていたくなるお守りでありたいと私たちは考えています。気に入ったお守りはきっと大切にしてくださるでしょうし、お守りを大切にしていただくということは、神様に気持ちが入るということ。そのためにも、身近に持っておきたくなるようなものをつくるということは心がけています

クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

何か気を付けていることはありますか?
馬場さん

馬場さん

お守りは信仰に基づくものですので、商品にならないように心掛けています。必ず神社の由来やご利益に結びつくものとし、そこからはみ出ることがないようにしています

クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

どのような思いでお守りをつくられているのでしょうか。

馬場さん

馬場さん

神社は、お参りをして晴れやかな気持ちになって帰っていただく場所だと思っています。お守りもよろこぶ、元気になるきっかけになればいいと思い、奉製しています


人気のお守りを紹介

恋守り むすびの糸(初穂料 1,500円)
運命の赤い糸を思わせるお守り。境内にある「再会の木」になる豆を模した「再会の実」が赤い糸に結ばれています。ネックレスやブレスレットのように身に着けることができます。


馬場さん

馬場さん

授与所が新しくなる少し前にできたお守りです。古来から赤い糸と縁結びが繋がるかどうかはわかりませんが、現代の感覚とお神様を繫げるものとして作りました。太宰府天満宮の『夢守り 叶糸』と合わせて編み込むなど、お持ちになる方がアレンジを楽しんでくださっているようです


いちご守り(初穂料 800円)
縁結びの神様らしい、一期一会が実るように祈願したお守り。かわいいいちごの形が目を引きます。


馬場さん

馬場さん

出会いを大切にしてほしいという思いを込めたお守りで、一期一会という言葉にかけたいちごの形が可愛らしいと言っていただけます。当神社といえばこのお守りを思い出してくださる方も多くいらっしゃいます


てるてる晴れ守り(初穂料 1,000円)
めずらしいてるてる坊主の形のお守り。つねに心が晴れ晴れとして、穏やかで安心に包まれた毎日を過ごせるようにという願いが込められています。


馬場さん

馬場さん

宝満山を登る方のことを思い、つくったお守りです。登山をされる方に限らず、多くの方がお天気を気にされるもの。雨は必要なものですが、天気がいいと心が晴れやかになります。その思いを託すものとしててるてる坊主のお守りをつくりました。紅葉や桜など、竈門神社の四季を感じる4色をご用意しています


えんむすび こより(初穂料 1,000円)
桜色のこよりに恋の願いを書き、「えんむすび 幸福の木」に結べば、恋が成就すると信じられています。結んだこよりは、神職の方が毎朝お祓いと成就祈願をしています。


馬場さん

馬場さん

江戸時代、当時の成年年齢である16歳を迎えた男女が宝満山に登り、願いを書いたこよりを山頂の木に結んでいたことに由来しています。こよりを書いた方には、小さなお守りをお渡ししています


超守(こえるまもり)(初穂料 1,000円)
今年8月から授与が始まった最も新しいお守りです。宝満山は修験道との結びつきが強く、多くの山伏(修験者)が厳しい修行を行っていました。現在も竈門神社では護摩焚きなどが行われていて、その際の山伏の装束が5色の市松模様ということから、このお守りができました。


馬場さん

馬場さん

当神社を注目いただくきっかけにもなった人気漫画・アニメ作品との共通点から着想を得たものですが、神社の歴史などを知っていただくきっかけになるのではと思っています。修行によって超自然的な力を付け、悟りを開く山伏のように、自分の壁や目標などを超えるという強い力にお守りいただけるような祈りを込めています


疫病除け守り(初穂料 700円)
コロナ禍を受け、昨年登場したお守りです。新緑を思わせる色使いが清々しい印象です。


馬場さん

馬場さん

神社で使われる『穢れ』という言葉は『気枯れ』に由来します。病は気からと言うように、気が弱くなり枯れると穢れになります。爽やかな色のお守りが、持つ方の気を満ちさせるようにと思い、つくりました


そのほかにも、仕事や生業が成就するようにという願いが込められた「仕事結び守り」(初穂料 1,200円)や、一枚一枚柄の異なる千代紙でつくられた「えんむすび 和紙香り守り」(初穂料 1,200円)など、さまざまなお守りが並んでいます。


「みなさん、悩まれながらも楽しそうに選んでいらっしゃいます」と巫女の宮井さん。みなさんも、叶えたい願いに合わせてお守りを授かってみてはいかがでしょうか。

またお守りとは別に、今年の12月頃には、一般販売品として、竈門神社の12か月の香りをイメージしたアロマオイルが登場する予定です。天然精油を使った12種の香りに、宮司がそれぞれ名前を付けたアロマオイル、どんな香りがするのか楽しみですね。


奉納された紅葉が境内を彩る11月

竈門神社は、桜や紅葉の名所としてもよく知られています。秋になると楓を中心に約300本の木々が紅葉し、境内は見事な錦秋に彩られます。例年、11月中旬~下旬が見頃となり、夜間のライトアップも行われます。


クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

もうすぐ紅葉の時期ですが、見どころを教えてください。

馬場さん

馬場さん

参道の階段から御本殿まで、道の両脇から覆いかぶさるように色付く木々が見どころです。枝との距離も近く、間近に紅葉を見ることができます。2022年は、11月19日(土)・20日(日)に『もみじ祭り』、ライトアップは11月12日(土)~27(日)毎日21:00まで開催されました。期間中は、色付きに合わせてライトアップする場所を変えていきます


クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

この楓は自生しているものなのでしょうか。

馬場さん

馬場さん

自生しているものもあるでしょうが、多くは奉納されたものです。太宰府には『梅上げ』『紅葉上げ』という風習があります。これは、41歳の初老、60歳の還暦を迎える地域の方が太宰府天満宮に梅を、そして翌年に竈門神社に楓を奉納するというものです。当神社は、年によっては桜の木の奉納をお願いすることもあります

クロスロードふくおか編集担当

クロスロードふくおか編集担当

そういった奉納が、竈門神社の四季を彩っているのですね。

馬場さん

馬場さん

そうですね、この景色は皆さまの願いがつくったものです。その思いがまた多くの方の楽しみになるというのはうれしいことですね


これからの季節を彩る紅葉。そして願いを込めて身に着けたい色とりどりのお守り。心地よい色彩にあふれる竈門神社は、さまざまな場面でときめきを感じられる神社でした。「元気になって帰ってもらいたい」という馬場さんの言葉の通り、参拝すればきっと晴れやかな気持ちになるはずです。秋のおでかけに訪れてみてはいかがでしょうか。
 

<宝満宮 竈門神社>
住所:太宰府市内山883
電話番号:092-922-4106
参拝時間:自由参拝 ※授与所は8:30~18:00
駐車場:あり(約100台・1回400円)
アクセス:西鉄太宰府線「太宰府」駅から、コミュニティバスまほろば号に乗車、「内山[竈門神社]」バス停で下車、徒歩すぐ
ホームページ:https://kamadojinja.or.jp/

季節の花々が彩る手水舎。毎月1日と15日のお祭りの日に合わせて職員さんが花を活けています。以前はひしゃくが置かれていましたが、昨年11月に接触することなく手を洗えるように改修されました。


■宝満宮 竈門神社 紅葉のライトアップ
期間:2022年11月12日(土)~27日(日)
時間:日没~21:00
※期間中、授与所は21:00まで開いています


あの作品との共通点にも注目!

お守りの紹介でも少し触れましたが、竈門神社は人気漫画・アニメ作品の影響で注目を集め、近年参拝者が急増しています。確かに、以前は女性の参拝者が多い印象でしたが、取材時はお子さん連れのご家族や若者のグループも多く、作品の影響を感じます。驚くほど上手に登場人物を描いた絵馬もたくさん奉納されていました。
 

作品のファンの方は、主人公の苗字との共通点から、社殿の扁額(へんがく)に書かれている“竈門神社”という文字を写真に納められる方が多いそうです。ほかに、神社が建立された理由が大宰府政庁の鬼門封じだったということ。主人公が生業としていた炭づくりが宝満山でも行われていたこと。作品に刀鍛冶が登場するのですが、この地域にも金剛兵衛(こんごうひょうえ)という有名な刀鍛冶がいて、竈門神社にお墓があることなどが共通点として挙げられるそうです。


竈門神社に行った際には、作品世界との不思議な共通点も感じてみてはいかがでしょうか。

公開日:2021年11月12日
最終更新日:2023年1月25日


SHARE

次に読みたい特集記事

当サイトでは、利便性の向上と利用状況の解析、広告配信のためにCookieを使用しています。サイトを閲覧いただく際には、Cookieの使用に同意いただく必要があります。詳細はクッキーポリシーをご確認ください。
ページトップへ