アジアとの交流の歴史
日本の歴史上で、アジアとの交流は福岡からスタートしました。
九州国立博物館や九州歴史資料館などには、交流と関わりの深い歴史資料が揃っています。
これらのスポットを巡りながら、日本とアジアとの交流の歴史について理解を深めましょう。
太宰府天満宮
境内に咲く梅が見事。菅原道真公を祀る天満宮
受験生をはじめ、全国より年間1,000万人の参拝者を数える福岡県屈指の名所です。境内には、道真公を慕って京より一晩で飛んできたとされる「飛梅伝説」が伝えられる御神木・飛梅があります。
学習のポイント
【御本殿をはじめ楼門や太鼓橋など、重厚な建造物は見応え十分】
「学問・文化・芸術の神」として崇敬される菅原道真公を祀る神社。道真公の墓所の上に社殿が造営されており、1591(天正19)年、筑前国主・小早川隆景公によって建立された現在の御本殿は、国の重要文化財に指定されています。御本殿は豪壮華麗な神社であり、廟(墓)といえます。
宗像大社
世界遺産に登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一つ
沖津宮、中津宮、辺津宮を含めた三宮の総称。宗像神を祀る全国6,200社の総本宮として、年間約100万人が訪れます。
学習のポイント
【貴重な国宝が間近で見られる神宝館を併設】
天照大神の御子神・宗像三女神を祀った由緒正しい神社として知られています。特に田心姫神を祀った沖津宮のある沖ノ島には、国家・皇室の安泰を主とした国家祭祀の遺跡が多く残っています。沖ノ島から出土した貴重な神宝を展示している神宝館は特に必見です。
新原・奴山古墳群
アジアと積極的に交流した宗像氏が眠る古墳
古代、日本から海を越えて中国大陸や朝鮮半島と交流し、沖ノ島で祭祀を行った豪族・宗像氏の墳墓群。
学習のポイント
宗像氏は、進んだ航海技術を有しました。そのため、中国や朝鮮半島と外交していた当時の大和王権に、水先案内などとして協力。古墳見学やガイドの説明から、これらのことが学べます。
海の道むなかた館
アジアと積極的に交流した宗像氏が眠る古墳
世界遺産に登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」のガイダンス施設です。
学習のポイント
九州北部と朝鮮半島を結んでいた宗像地域の歴史を中心に、日本をはじめとした古代東アジアの活発な交流を学べます。まが玉や土笛作りなどの歴史体験学習も好評です。
九州国立博物館
東京、京都、奈良に次ぐ4番目の国立博物館
文化交流展(平常展)のテーマは「海の道、アジアの路」。アジア諸国との文化交流の中で、日本の文化がどのように形成されてきたのかを約800件もの文化財を通して紹介しています。このほか博物館では年に4回の特別展を開催しています。
学習のポイント
【アジアとの文化交流展示やワークショップなどの学びスポットが充実】
遣唐使などを通して古来アジアとの接点となってきた九州・太宰府の立地を生かし、「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」をコンセプトに展開している博物館。1階ではワークショップやコンサートなどのイベントが開催されるほか、遊びながらアジアの文化にふれることができる展示室「あじっぱ」(無料)もあります。
九州歴史資料館
古代から近代へ。九州の歴史を調査研究する施設
大宰府の史跡調査をはじめ、古代九州の歴史をひも解く研究拠点です。発掘品の復元作業を公開するなど、教育普及の機能も備えています。
学習のポイント
【貴重な文化財を通じて九州の歴史とその特質を解明】
古代から近代に至る歴史を紹介する「九州歴史資料館」では、特に考古や古代の九州を統括した「大宰府」に関する資料が充実しています。1グループ10~20人に分かれていただき、館内ツアー形式で職員が案内をします。バックヤードの見学が大変好評です。オンラインでの事前・事後学習も可能です。
鴻臚館跡展示館
唐や新羅とつながる交渉の場
外交使節をもてなし、遣唐使らの送迎に使われた迎賓館。対外交渉の重要な窓口でした。
学習のポイント
古代(飛鳥、奈良、平安時代)に、平安京や難波にも設けられた迎賓館の中で唯一、場所が特定されているのが筑紫の鴻臚館。館内では奈良時代の後半に造られた礎石建物跡を見学することができます。
福岡市博物館
福岡の歴史と文化に触れるひととき
「大陸との交流」をテーマに、古代から現代に至る福岡の歴史と人々の暮らしを紹介。
学習のポイント
国宝金印「漢委奴国王」や黒田節に歌われる名鎗「日本号」、現存最古の動く国産自動車「アロー号」を展示しています。館内には、アジア各地の楽器や衣服、生活の道具などを自由に手に取ることができる体験学習室もあります。