「もつ鍋 VS 水炊き VS その他鍋」冬の定番グルメ・福岡の鍋対決!-1

「もつ鍋 VS 水炊き VS その他鍋」冬の定番グルメ・福岡の鍋対決!

寒い冬の季節に恋しくなるのは「鍋」!
明治時代からの歴史がある「水炊き」と、昭和の戦後に誕生した歴史の浅い鍋ながら全国的にも高い知名度におどりでた「もつ鍋」は、ともに福岡の名物鍋料理です。「水炊き」と「もつ鍋」の歴史や美味しい食べ方、さらには福岡で話題のあの鍋もご紹介!あなたが今夜食べたい鍋はどちらでしょうか!?


「もつ鍋」ってどんな鍋?福岡のもつ鍋の歴史を紐解く

福岡・博多のもつ鍋は、第二次世界大戦後にアルミ鍋でもつとニラを炊いて醤油で味付けして食べていたことが始まりだといわれています。
牛や豚などの内臓のことを料理人や食肉業者の専門用語で「もつ」というところから「もつ鍋」として親しまれ、1992年には「もつ鍋」が新語・流行語大賞銅賞を受賞するほどのブームに。全国的にも認知度があがり、福岡を訪れる観光客にとっては博多ラーメンに次ぐ人気メニューとなりました。

近年のスタイルは、鰹や昆布などでとった出汁に醤油や塩、味噌などで味つけし、その中に下処理したもつ肉(小腸もつや、大腸、ハツ、センマイ、ギアラ、ハチノスなども入るミックスもつを使う店もあります。)と大量のニラ、キャベツと、もつの臭みを消すためのニンニクなどを入れ、これを火にかけ、煮込みます。どの店も材料やダシへのこだわりが強く、店によって異なる味を食べ比べるのもおすすめです。


美味しい「もつ鍋」の食べ方をご紹介!

もつ鍋は、一般的に鍋に出汁と具材が入った状態で運ばれてきます。まずは強火で3~4分、出汁が沸騰するまでじっと待ちましょう!沸騰したら火を中火~弱火にしておたまで出汁をすくって上からかけて野菜を浸していきます。キャベツがしんなりしたら食べごろです。取り分けたらお好みで柚子胡椒をスープに溶かし、プリプリのもつの食感とジューシーな脂と野菜の甘みを味わってください。
最後は、もつと野菜の旨味が溶けだしたスープで、ちゃんぽん麺や雑炊を。お腹いっぱいでも思わず食べちゃうのがもつ鍋の〆。最後の一滴まで堪能しましょう!

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鍋のおともに「柚子胡椒」-1

鍋のおともに「柚子胡椒」

柚子の皮を細かく刻み、生の青唐辛子と食塩をすり合わせる風味豊かな九州発祥の万能調味料「柚子胡椒」。
※九州の一部では唐辛子のことを「こしょう」と呼んでいたためその呼び名がつきました。
鍋にはもちろん、九州では刺身や焼き鳥、餃子などにも使われます。最近では赤や黄色の柚子胡椒などバリエーションも豊富。ぜひ、お土産にもどうぞ!


「水炊き」ってどんな鍋?福岡の水炊きの歴史を紐解く

博多の「水炊き」は別名「博多煮」とも呼ばれ、博多を本場として全国各地に広まりました。発祥は長崎出身の林田平三郎が香港に渡り習得した、西洋料理のコンソメと中国料理の白湯(ぱいたん)をアレンジして、1905年に完成し「水月」にて提供され始めたといわれています。
鶏ガラや骨付きの鶏肉のぶつ切りを水から煮立たせることから「水炊き」と呼ばれ、長時間煮込み白濁したスープに野菜などを入れ、基本的に煮汁には味を付けずに取り分けてからポン酢や柚子胡椒などを加え味わいます。さっぱりとしていながら、コクのある鶏の味わいは水炊きならではの美味しさです。


美味しい「水炊き」の食べ方をご紹介!

まずは、鶏のコクと旨味が凝縮したスープに、鶏のぶつ切りを入れて煮立たせ、スープだけをひとくち味わった後、柑橘類をベースにしたポン酢や柚子胡椒、福岡特産の細いネギ「コウトウネギ」などを薬味に加え、鶏肉を味わいます。その後、鶏のつくねや野菜や豆腐などを鍋に加え食べ進めます。博多ではスープが薄くならないように白菜ではなく、キャベツを入れるお店もあります。
最後はうどんや、ご飯と玉子を入れて雑炊などで締めくくりますが、発祥の店「水月」には、鍋に素麺を入れる「地獄炊き」でという一風変わった〆もあります。

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鶏皮ポン酢  VS 酢モツ-1

鶏皮ポン酢 VS 酢モツ

鶏とモツのもうひとつの対決!もつ鍋や水炊きのコースの前菜に出てくることもある「鶏皮ポン酢」と「酢モツ」。プリっとした食感に薬味とポン酢のさっぱり感がマッチしておつまみにもピッタリ!あなたはどっちが好み?


まだまだある!他にも気になる福岡の鍋「田川ホルモン鍋」

福岡県田川市で食べられる「田川ホルモン鍋」とは、焼肉のタレで下味をつけたホルモンを玉ねぎ、キャベツ、もやし、ニラなど大量な野菜を、真ん中が窪んだ独自の形の鉄板で炒め煮するご当地グルメ。焼肉店などでは、鉄板ではなく石鍋で提供するお店も。
かつて「石炭」の産出地として栄えた田川の炭坑夫が、セメント袋を七輪にのせてホルモンを焼いて食べたことから広まったと言われるこの鍋は、ヘルシーでスタミナ満点!
博多のモツ鍋とはひと味違うモツ鍋を食べに、ぜひ、足を運んでみてください。


まだまだある!他にも気になる福岡の鍋「もつすき焼き」

すき焼きのようなもつ鍋を提供するお店もあります!昭和18年創業の「万十屋」が提供する「万十屋昔ながらのもつ鍋」は、醤油ベースのすき焼き風。厚手の石鍋にニンニク、唐辛子、タレに付け込まれたモツを入れ、玉ねぎなどの野菜を加え煮込みます。お好みで、すき焼きのように卵にくぐらせ食べるのもおすすめ。
他にも、鉄鍋でニンニクとモツを炒め、唐辛子を加えた後、日本酒を注ぎフランベ!アルコールを飛ばしてから、醤油ダレと玉ねぎを入れ、食べ進めながらキャベツやニラなどの野菜も加えていく「もつのすき焼き」を提供する「もつ繁」。もつ繁は卵はつけずに食べますが、日本酒の甘みが広がる醤油ダレは、まさにすき焼きのように甘辛い濃厚な味わいが癖になる逸品です。


まだまだある!他にも気になる福岡の鍋「ふぐ鍋」

福岡県は、隣接する山口県とならび「ふぐ」も有名。旬の冬の季節になると上質なふぐが多く流通します。
ふぐのコース料理を提供する割烹料理店も多く、ふぐの刺身やから揚げはもちろん、コースをしめくくる「ふぐちり鍋」は、ふぐの淡泊ながら上品で深みのある旨味を堪能できます。もちろん〆は雑炊で!ふぐの旨味をたっぷり吸いこんだお米が身体中に染みわたる美味しさです。
北九州市などでは、「福」に縁起をかついで「ふぐ」を濁らずに「ふく」とも呼ばれています。


まだまだある!他にも気になる福岡の鍋「炊き餃子」

近年注目を集めている人気急上昇中の「炊き餃子」。福岡の新しいソウルフードを作りたいと、福岡名物の博多豚骨ラーメンとひとくち餃子を組み合わせ考案されました。発祥の味は「池田商店」で味わうことができます。
改良が重ねられ、現在は豚骨と鶏ガラからとったスープで餃子のみを炊き、ネギを入れるスタイルに。餃子の中には鶏皮入りのミンチの他に地鶏の炭焼きも練りこまれており、餡から溶け出した旨味がスープをより深い味わいに変化させます。もちろん、残ったスープはちゃんぽんやおじやで一滴残らず楽しめます。
福岡県にとどまらず、全国的に炊き餃子を提供する店も増えてきており、福岡発の新定番になりつつある期待のお鍋です!


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