福岡・北九州地方の名水・湧水
「夏もひんやり、ふくおかの水」part2
数多くの名水・湧水スポットに恵まれた福岡県。暑い夏には、是非このスポットで癒されてください。今回は福岡・北九州地方を中心にご紹介します!
※名水・湧水は塩素消毒された水道水と異なり、安全性の保証はありません。気になる場合は煮沸をおすすめします。また、名水・湧水によって利用のルールが違います。ルールに従ってご利用ください。
※掲載されている情報は2022年5月時点のものです。お出かけ前には必ずホームページやお電話にて最新情報をご確認ください。
不老水(ふろうすい)/福岡市東区
不老長寿で知られる「名水百選」の水
香椎宮の飛び地境内に湧く井戸水で、「名水百選」にも選ばれた霊泉。「御飯の水」「老の水」とも呼ばれ、仲哀(ちゅうあい)天皇に仕えた武内宿祢(たけしうちのすくね)が天皇皇后に献上する御飯を調え、自らも用いて300年以上生きたと伝えられています。
所在地:福岡市東区香椎3-8
TEL:092-681-1001(香椎宮社務所)
境内に不老水湧く勅祭社「香椎宮」
この地で崩御したと伝わる仲哀天皇を祀る神社。「香椎造り」の本殿は国の重要文化財に指定されています。
所在地:福岡市東区香椎4-16-1
TEL:092-681-1001
~祈祷水(聖水)で疫病退散~
780余年の歴史を誇る博多祇園山笠の起こり
博多の総鎮守・櫛田神社の奉納行事で、日本三大祇園のひとつに数えられる博多祇園山笠。その起源には諸説ありますが、そのひとつが承天寺の開祖・聖一国師(しょういちこくし)を創始者とするという説です。
今から約780年前の仁治2年(1241年)、当時博多で流行っていた疫病を平癒(へいゆ)するため、聖一国師自らが施餓鬼棚(せがきだな)(餓鬼道に堕ちた人を供養するため設ける供養壇)に乗って祈祷水(聖水)を撒いたところ、疫病が退散。これが災害除去の祇園信仰と結びつき、博多祇園山笠神事として発展したと伝えられています。今でも承天寺の門前に清道を設けて山笠を奉納するのは、そのお礼参りといわれています。
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「聖一国師像」(承天寺所蔵)
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承天寺(じょうてんじ)
仁治3年(1242年)、宋出身の貿易商・謝国明が建立し、聖一国師が開山した禅宗の古刹。
真名子(まなご)の銘水/糸島市
森に囲まれた自然公園の給水場
真名子木の香ランドキャンプ場の管理棟にある「真名子の銘水」。自動給水機が設置されており、1回100円(約50リットル)で利用できます。地下30mの深さから汲み上げる地下水はやさしい口当たりが特徴です。
所在地:糸島市二丈福井355-2
TEL:092-844-2100(真名子木の香ランドキャンプ場)
Column
杉木立の中は夏も涼しい!
水と緑あふれる森の中のキャンプ場糸島市森林公園
真名子木(き)の香(か)ランドキャンプ場
標高400mの山間にある自然公園。テントサイト、バンガローなどがあり、宿泊やデイキャンプに利用できます。夏は場内を流れる川での水遊び、森林浴などが人気。二丈岳や二丈渓谷へのハイキングもおすすめです。
古より語り継がれる星の物語
大島・中津宮(なかつみや)の七夕伝説
「その昔、唐に派遣された若者が連れ帰った織女(しょくじょ)と恋に落ち、その後離れ離れになってしまった。恋人を思い寂しい日々を送っていたある夜、夢でお告げを受け、中津宮の境内を流れる天の川で再会した」という伝説が伝わる宗像大社中津宮。「七夕伝説発祥の地」といわれ、縁結びの御利益でも有名です。境内の天の川を挟んだ丘には、織女神社と牽牛(けんぎゅう)神社が鎮座。毎年7月7日から8月7日(七夕祭)まで、中津宮と島内各所を七夕飾りや竹灯籠が彩ります。
※期間限定の御朱印も頒布。
所在地:宗像市大島1811
TEL:0940-72-2007(宗像大社中津宮)
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御嶽山からの清水が流れる天の川
「天ノ真名井」から湧き出た水も、この天の川に流れ込んでいます。
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境内に湧く、天然の湧き水「天ノ真名井」
延命招福の霊泉とされ、信仰を集めています。
岩屋湧水(いわやゆうすい)/朝倉郡東峰村
釈迦岳を源とする平成の名水百選
JR筑前岩屋駅(九州北部豪雨により現在休止中)の敷地内にあるのが岩屋湧水です。昭和12年(1937年)着工のJR日田彦山線釈迦岳トンネル工事の際に発見された水源で、平成20年(2008年)6月に福岡県で唯一「平成の名水百選」に選ばれました。
トンネル内から湧き出る水は1日約15,000トン。豊富な水量で、古くから地域住民の生活用水として利用されてきました。水温は17度、硬度は約31度の軟水で、くせのない、まろやかな味が特徴。コーヒーやお茶、和食などに合うといわれています。給水場はJR筑前岩屋駅の横にあり、自動給水機を使って1回100円で約30リットルの水を24時間汲むことができます。
所在地:朝倉郡東峰村宝珠山4031-5
TEL:0946-72-2232(宝珠山ふるさと村)
宝珠山川の清らかな水とふれあう憩いの空間
岩屋湧水から車で約3、4分の場所には、県内有数のホタルの名所「棚田親水公園」があり、毎年5月下旬から6月中旬にかけて、棚田親水公園の宝珠山川沿いでホタルを見ることができます。
初夏には、約400枚の棚田を1,200本のトーチが照らす「竹棚田の火祭り」も開催。水面に映る灯りが幻想的な風景を描きます。
日常を離れ、静寂の時間を楽しんで古民家ヴィラ「あんたげ」
築132年の古民家を改装した1日1組限定(定員8名)のヴィラ。日本の棚田百選に選ばれた竹棚田を望む絶好のロケーションで里山の自然を満喫できます。提供する食事は全て岩屋湧水を使用。豊かな水の恵みをお楽しみください。
所在地:朝倉郡東峰村宝珠山5430
TEL:0946-23-8423(岩屋キャンプ場管理棟すてら)
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ヴィラ外観
夜は満天の星が彩ります。
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岩屋湧水を使用した料理
棚田米など地元の食材を使った料理。仕上げはヴィラの厨房で行います。
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自然を眺めながら入るお風呂
八女の天然石とヒノキを使用した贅沢なお風呂。窓の外には緑の森と田畑が広がっています。
川と森の自然に包まれて!つづみの里公園 「ポーン太の森キャンプ場」
岩屋湧水から車で約15分ほど行くと、冷暖房と風呂・トイレ完備のバンガロー(和室・洋室の2タイプ)と川や森の自然を身近に感じるテントサイトがあります。「竹ご飯炊さん」や「ドラム缶風呂」など体験型アクティビティも充実。夏はキャンフ場に隣接する川で水遊びや釣りも楽しめます。
所在地:朝倉郡東峰村小石原鼓1633
TEL:0946-74-2323
岩屋湧水で育てた東峰村の新名物ヤマメの養殖
平成29年(2017年)の九州北部豪雨で被災した東峰村岩屋地区で、新たな名物づくりのために始められました。JR筑前岩屋駅近くの棚田に水槽を置き、岩屋湧水の水を引いてヤマメを育てています。令和3年(2021年)養殖されたのは約1,000匹。イベントなどで塩焼で提供されているほか、缶詰にして村内の道の駅「小石原」、つづみの里直売所で販売されています。
TEL:0946-72-2232(宝珠山ふるさと村内「湧水の里 岩屋」)
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全長30cmほどに大きく育ったヤマメ。
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水温17度と一定で、酸素を多く含む岩屋湧水はヤマメの養殖に適しているのだそう。
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昨年のイベントの様子。
女鹿清水庵(みょうがしょうずあん)/築上郡築城町
岩肌から清水湧く「女鹿の名水」
その昔、炭焼人が観音様の化身である親子の鹿を湧水で助け、その地に観音堂を建て観音様をお祀りした、という古事が残る湧水です。この湧水を飲むとお乳の出がよくなるといわれ、「乳の観音様」とも呼ばれています。
所在地:築上郡築上町小山田1903
TEL:0930-56-0300(築上町まちづくり振興課)
水量の増す、雨後がおすすめ!鬼の雁木(がんぎ)の滝
女鹿清水庵(みょうがしょうずあん)から車で約25分行ったところに、岩肌を2筋の滝が流れ落ちる全長25mの滝があります。夏の緑が美しく、秋には見事な紅葉も楽しめます。
所在地:築上郡築上町寒田
TEL:0930-56-0300(築上町まちづくり振興課)
畑冷泉(はたれいせん)/豊前市
豊前三名水のひとつに数えられる聖なる水
古来より求菩提(くぼて)の山伏や神官が禊(みそぎ)をする聖なる水とされてきた畑冷泉。水神社境内の樹齢800年を超える大楠の根元から湧き出る清水は1日約1,000トン。水温は1年を通じて約15度に保たれています。
期間限定!冷たーい冷泉浴に挑戦しよう「畑冷泉館」
水神社境内に湧く畑冷泉の清水で、夏季限定の冷泉浴が楽しめます。浴槽は男女日替わり。水温15度、かけ流しの冷泉水に入った後は、体を温めるサウナ室へ。館内には休息室も完備されています。
所在地:福岡県豊前市大字畑708-2
TEL:0979-82-0976(夏季のみ)
TEL:0979-53-6660(豊前市観光協会)
公開日:2022年6月1日
最終更新日:2023年7月1日