【サイクル福岡】三船雅彦さんと巡る!直方・宗像・北九州サイクルツアー参加レポート-1

【サイクル福岡】三船雅彦さんと巡る!直方・宗像・北九州サイクルツアー参加レポート

2024年5月26日、西鉄旅行主催のサイクルツアー「元プロロードレーサー 三船雅彦さんと直方・宗像・北九州を巡る」が催行されました。サイクリングガイドを担当したJCGAサイクリングガイドの目線でツアーレポートをお届けします!


魅力的な3つのポイント

まずは、今回のツアーの特徴を3つご紹介。

1. 「CYCLE CARGO」利用で快適!
今回のツアーは、西鉄バスが2023年4月から運行しているサイクルバス「CYCLE CARGO」(サイクルカーゴ)を利用。自転車を分解せず、そのままバス車内に積載できるので、サイクリングの楽しさに加えて、バス旅行の快適さも体験できます。

2. 超豪華ゲストと一緒に走れる!
元プロロードレーサーの三船雅彦さん(TOJ京都ステージアンバサダー)をゲストに迎え、一緒にサイクリングできるスペシャルなツアー内容。国内はもちろん世界で活躍された話や、ブルベを通して体験された機材や補給のマネージメント術など、面白くて内容の濃い話が聞けます。

3. 旅行会社主催だから観光も充実!
西鉄旅行のツアーだけあって、観光もしっかり楽しめます!1日目は世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島を感じる宗像大社を巡り、2日目も世界遺産「官営八幡製鐵所」とそれを支えた筑豊地区へ。美しい自然と深い歴史の魅力が満載です。


ツアーの参加者とガイド

今回のツアーには、福岡県内だけでなく、西日本を中心に県外からの参加者も。福岡はほぼ初めてという方から、日ごろ福岡をサイクリングで巡っているという方まで、幅広い層に満足していただくために、非常にプレッシャーを感じるツアーでした。

参加者の皆さんには走行距離と各ポイントはお知らせしていますが、ルートの詳細は伝えません。安心して全てを任せられる、それがサイクリングツアーの楽しみ方。詳細を正確に把握しているのは、メインガイドである自分だけなのです…。

ルートはもちろん、交差点や施設を安全に通過する方法や立ち寄りの時間、立ち寄り場所での説明など、カンペはありませんので全て頭にインプットして、当日を迎えました。


充実のサポート体制でストレスフリー!

西鉄のサポート体制はすばらしく、スタート地点をはじめ立ち寄りポイントごとにサイクルラックがあり、水やジュースなど水分や軽食まで用意されていました。先回りしてのサポートは大変だったと思いますが、サイクルフレンドリーな施設でないと駐輪するのもひと苦労。あらかじめラックを設置してくれているので、ストレスフリーで走ることができました。

普段は荷物になるのでお土産が買えないのがサイクリストの悲しいところですが、今回はサポートのおかげで買い物した物も預けることができて、嬉しいかぎり。泊まりの荷物も預け、さらにメカニック帯同なので、手ぶらでサイクリングを楽しめました。


【1日目】博多駅近のホテルから、街なかサイクリングへ

ツアーのスタートは、博多駅そばのホテル「西鉄ホテル クルーム 博多」。参加者同士の交流やツアーの説明から始まりました。ガイドの先導のもと、最初の目的地・天神中央公園を目指して9:30に出発!博多の歴史地区としてきれいに整備された承天寺通りを走り、博多千年門や枯山水の庭を眺めながら、ゆっくりと街なかサイクリングを楽しみます。

博多祇園山笠の奉納で有名な櫛田神社では、「山笠は他の祭りと何が違うのか?」「飾り山の標題である歌舞伎の演目・暫(しばらく)とは?」といった小ネタを紹介。元横綱の白鵬や曙が持ち上げて奉納したといわれる「力石」も体験してもらいました。歩行者やバイク、車で混雑する博多の中心市街地を、参加者が安全に、ストレスを感じないよう案内することを心がけました。

天神中央公園到着後、「FUKUOKA」モニュメントの前で記念撮影を終えるころには参加者の緊張もほぐれ、徐々に隣の方との会話も出てきました。


【1日目】世界遺産「宗像大社」を目指す

ここから本格的なサイクリングがスタート。福岡県が推奨する10のサイクリングコース「福10ルート」のひとつ、「宗像・志賀島ルート」を活用しながら、世界遺産のある宗像方面を目指します。

途中、かつて九州一の醸造量を誇った豊村酒造(福津市)に立ち寄り、訪れた人が驚くほど立派な「見得の梁(みえのはり)」がある酒蔵と買い物を堪能。1日目のメインである世界遺産「宗像大社」に向けて、さらに走ります。

宗像大社(辺津宮)では、大鳥居や本宮以外にも、宗像三女神をまつる第二宮、第三宮も案内し、フェリーで大島の中津宮へ渡りました。

宗像大社の3つのお宮(辺津宮、中津宮、沖津宮)を直線で結ぶと、その先には韓国・釜山があります。宗像大社は古代神話の舞台であると同時に東アジアとの交流拠点でもあり、それを物語る8万点の国宝が出土。そんな宗像大社の歴史や古代のロマンを体験できるのも、このツアーの醍醐味です。


【1日目】風車に灯台…大島の絶景サイクリング!

大島は一周十数kmの小さな島ですが、灯台や丘の上の風車、激坂の先にある展望台など、サイクリングを楽しむには素晴らしい環境!大いに走り回り、帰りのフェリーを待つ間は島内の「むすびカフェ」で大島甘夏のレモネードや漁師サンドを味わいながら、フリータイムを過ごしました。

その後、宗像市関係者の歓迎を受けながら、17:00に1日目のゴール地点「道の駅むなかた」に到着。サイクルカーゴに自転車を積み、ホテルのある直方市へ向かいました。自転車はバスに乗せたまま、ホテルのルームキーを受け取り、部屋へ直行できて安心・快適です。時間のロスなく夜の食事会にレッツゴー!

自転車の話や、他愛もない話で盛り上がりつつも、翌日のスタートに向けて早めに解散し、夢の中へ…。


【2日目】遠賀川沿いのサイクリングロードを北九州へ

翌朝9:30、直方市の皆さんの見送りを受けながらサイクルカーゴに乗り、ホテルを出発。まずは直方市石炭記念館で観光です。最盛期にはSLが60台も走っていたという石炭集積の町・直方。今も2台のSLがピカピカに磨かれて展示されているなんて、ボランティアの方々に感謝ですね。

日本の近代化を支えた炭鉱の勉強を終え、いよいよ「直方リバーサイドパーク」から2日目のサイクリングがスタート!この日も福10ルートの「宗像・直方ルート」と「北九州(門司)・芦屋ルート」の一部を使いながら、北九州工業地帯にある世界遺産「官営八幡製鐵所」を目指しました。

直方には、遠賀川の河川敷に走りやすいサイクリングロードが整備されています。ガイドが周辺の歩行者・自転車に気を配り、参加者はリラックスしておしゃべりを楽しみながらのサイクリング。前夜の食事会の続きの話で盛り上がって楽しそうでした。


【2日目】宿場町の風情と自然の雄大さを実感!

途中、長崎街道の宿場町だった木屋瀬(こやのせ)で休憩タイム。外敵からの防衛のため街道が「く」の字に曲がっていたり、建物がのこぎり歯状に並んでいたりと、江戸時代の知恵と工夫を楽しんだら、引き続きサイクリングロードをクルージング。

玄界灘の沿岸を走っていくと、千畳敷と呼ばれる独特の風景に出会います。自然って大きいなと改めて感じさせられますね。岬の先端に立つ妙見埼(みょうけんざき)灯台の姿が印象的でした。


【2日目】若松のノスタルジックな街並みを散策

この辺りでは国道も走りますが、交通量が少ないのでサイクリングには最高のエリアです。

北九州工業地帯で最初に訪れたのは、若松地区。ここは直方から運ばれた石炭の終着地で、炭鉱や海運、製鉄など重工業にまつわる歴史的建造物が多く残っています。ノスタルジックな雰囲気の中、人気のクロワッサンを食べながら、明治期の装飾が残る建物や地域発展を伝える資料館などを散策しました。


【2日目】溶鉱炉を模した巨大モニュメント前でフィニッシュ!

ツアーも終盤、官営八幡製鐵所の旧本事務所が見える眺望スペースで記念撮影。直方・若松とつないできたストーリーが、日本の近代化の象徴、ここ「八幡製鐵所」で完結です。

ゴールまではあと少し。長崎街道で旅の安全の守り神としてまつられている幸神神社にお参りしました。松並木の横にある小さな神社で、江戸時代の旅人は旅の安全を祈り、ここでわらじを履き替えたそうです。ここまで事故もなく安全に旅が終えられたことを報告し、最後は製鐵所の溶鉱炉を模したモニュメントのある高炉台公園に16:30に到着。解散式を行い、集合写真を撮って、サイクルカーゴへ自転車を積み込みました。

帰りのサイクルカーゴの車内では、記念品をかけて三船雅彦さんとのじゃんけん大会や、いろいろな話で盛り上がり、疲れてこっくりしている人などもいて、旅の余韻を楽しんでいました。

福岡空港と博多駅で皆さんとお別れすると、ぽつぽつと雨が。夕方から雨の予報でしたが、ツアーの終了と同時に降り出すとは。皆さん強運の持ち主ですね。
 


ツアーを終えて

サイクリングガイド・各自治体・西鉄バスが連携して実施した今回のサイクルバスツアー。不慣れな部分はありましたが、担当の方々が一生懸命おもてなししてくださったり、見どころがしっかりと準備されつつ、サイクリングを楽しむ時間も確保されていたりと、至れり尽くせりとはまさにこのこと。参加者の皆さんも快適に旅行を楽しめたのではないかと思います。そこに、ガイドとして微力ではありますがお手伝いでき、エッセンスを加えられたのは良い経験になりました。

サイクリングの新しい楽しみ方を体験したい方は、サイクルカーゴの旅を検討してみませんか?ツアー情報(不定期)はWEBサイトで発表されるので、チェックしてみてください。
 


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