【サイクル福岡】ダムサイクリングのすすめ-1

【サイクル福岡】ダムサイクリングのすすめ

山がちで川の流れが急な日本。降った雨は川をせっかちに流れ、すぐに海へ注いでしまいます。大切な水を生活や産業に利用し、洪水を防ぐために欠かせないのがダム。日本には約3,000のダムがあり、人々の暮らしを支えています。

そうしたダムを見に行く「ダムツーリズム」が密かな人気です。サイクリングのテーマとしてもダムは格好の存在。福岡県は、街とダムがある山地が近いため、多くのサイクリストがダムめぐりを楽しんでいます。次の休日にいかがですか?


ダムの存在が生む好ルート

ダムの多くは、山間部に位置する河川の上流域に造られます。ダムを目指すと必然的に標高が上がり、道中は風景や季節感の変化に富みます。街を離れて行くので交通量は減り、静かな環境が待っているのも魅力です。

そんな谷間にそそり立つダム本体は、絶好の展望台。「上ってきた!」という達成感と共に堤頂から見渡す絶景は格別です。こうした達成感は峠越えと同じですが、ダムに至るルートは基本的に河川沿いなので勾配は緩やか。峠ほど長い距離を上らされることも稀です。さらに上流にはダム湖が形成され、湖畔には平坦な道が続くため、「上りは好かん!」というサイクリストも楽しみやすいでしょう。

走りごたえが実感できる上り、気持ちよく距離が伸びる平坦路、そして復路は当然ながら下りで楽々!こうしたメリハリのあるサイクリングを約束してくれるのが、ダムの存在なのです。


ダム自体の魅力とは?

大きいモノを見ると感動する、というのは人の本能かもしれません。人類が作り出した最大の建造物としてダムを挙げることもできます。実際のダムは造られた年代や地形、目的によって、大きさも形式もさまざま。管理事務所にある解説などを読むと、構造や目的をさらに詳しく知ることができるので、ぜひ足を止めて注目してください。

近年は「ダムカード」を配布するダムも多く、形式や大きさ、貯水量などが「DAM-DATA」として記されています。福岡県内では17のダムでカードを配布。ぜひコレクションしてみては?ちなみに、福岡県ではダムの貯水量を例えるのに福岡ドーム(PayPayドーム)がよく使われますが、関東では東京ドーム、関西では京セラドームだったりします。


ダムの基礎知識①形式

ダムの形式(構造)には、おもに4種類あります。

・重力式ダム:​​最も数が多い、分厚いコンクリート製のダム。堤体の自重によって水圧に耐える強度を確保しています。
・アーチダム:曲線によって両岸と地面に水圧を分散し、橋などにも多い構造。堤体を薄くできるため、重力式ダムより少ないコンクリートで造れ、見た目も優美です。強固な地盤が必要なので、建設できる場所は限られます。
・ロックフィルダム:岩石や砂利を積み上げたダム。材料を現地で調達しやすく、多様な地盤に対応できます。堤体の裾野がとても広く、丘のような外観が特徴です。
・アースダム:土で形成したダム。古くから、ため池などに用いられている形式です。


ダムの基礎知識②目的

ダムの目的は、利水と治水です。溜めた水を飲料や農業・工業に用いたり、水力発電を行うのが「利水」。洪水を防ぐのが「治水」。また、ダムは流木や土砂なども止めてくれます。実際には、利水と治水の双方を担う多目的ダムが一般的です。福岡県は渇水と豪雨に悩まされることが多いため、多くのダムが建設されました。

周辺を公園として整備したり、トイレなどの休憩施設を備えたダムも多く、サイクリストには心強い存在ですね。また、近隣の飲食店で「ダムカレー」を味わえるダムもあり、訪れる楽しみがますます増えています!


防寒対策は万全に!

サイクリングルートのテーマにふさわしいダムですが、少し注意点もあります。それは防寒対策と補給の備え。道路規制情報の確認も欠かせません。

ダムの多くは標高200〜500mにあります。一般的に標高が100m上がるごとに気温は0.6℃下がるとされ、実際は風などによっていっそう寒く感じられます。では暖かい服装がよいかと言えば、そうでもありません。たとえ気温が0℃でも、上りが続けば汗ばみ、逆に下りは真夏でも冷えます。ダムを盛り込んだルートでは必ずアップダウンがありますので、脱ぎ着できるウインドブレーカーやレインウェアを携行しましょう。

厚みが異なる2タイプのグローブやシューズカバーを用意して、体の末端部を適切に保温することも大切です。天候の変化にも注意。予想外の降雨や積雪に遭遇しそうなら、早めに引き返す判断も求められます。
 


備えあれば憂いなし

ほとんどのダムは街から離れた山間部にあります。飲食店どころか自動販売機すらない無人区間を数時間走ることも珍しくありません。そのためスタート前に、見込んだ所要時間に応じた量の飲料や補給食を用意しておきましょう。現地の飲食店を利用したい場合は、営業時間などの確認を忘れずに。
道路規制情報は、日本道路交通情報センターのWebサイトで確認できます。予定ルートに該当する範囲をあらかじめ見渡しておきましょう。

さあ、準備はOKですか?それでは、ダムサイクリングへ出発!


ダムサイクリングに出かけよう!


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